幸せのかけら
"……響"
"ごめん。
なんか愛の傷ついた顔みたら、何も手につかなくて。
明日面接なんだけど、いてもたってもいられなくて、会いにきた"
じっと見る私の方に歩みより、ふたりの距離がゆっくり縮んでいく。
ミルクティーをもつ私の手に重ねた。
"……好きだ。
こんなに情けない姿を見せてもいいって思うくらい、愛が好きだ。
もう嘘つかない。
これからも、隣にいてほしい"
……それは、ずっとずっと聞きたかった言葉で。
頑なだった心が、いい意味で崩れていく。
"……遅いよ、ばか"
ミルクティーを隣に置き、響に抱きついた。
"……情けなくたっていい。
カッコよくなくたっていい。
ケンカしたっていい。
響じゃなきゃ嫌。
響だから、一緒にいたいんだよ"
確かに、今回のことで傷ついた。
別れをよぎったけど、それでも一緒にいたいって思うのは
"愛、俺のこと…どう思ってる?"
"え"
"この前言われたこと、頭から離れないんだ。
傷つけた俺が悪いんだけど、上書きしてほしいです"