幸せのかけら
丁寧語に思わず笑う。
"……なんのこと??"
"分かってるだろ"
"やだ。
私傷ついたもん。
誰かさんのせいで泣いたし"
"…それを言われると、何も言えなくなるんだけど"
けど、本当にごめん
と、今度はすり寄ってきた。
そんな響が可愛くて、自分の単純さに呆れてしまう。
さっきまであんなに落ち込んでたのに。
"私も嘘ついた。
響が好き、大好き。
傷ついたし許せなかったけど、それでも嫌いになれなかった"
響の頬に手を添え、こっちに向けさせた。
"もう絶対隠し事はなしだからね。
今度また同じことしたら…"
"分かってる。
もうしない、絶対に。
信用を取り戻せるなら、何でもするよ"