幸せのかけら

"……で、黒崎にも会いづらくて私のところに来たってこと??"


"………はい、その通りです"








吉川くんは響の友達で
私は響のことが好きで
吉川くんは……

とか考えてたら訳が分からなくて、結姉さんに話を聞いてもらうことにした。








"響にも何て言えばいいか分からなくて"



"愛は断ったんでしょ？"



"明確には…断ってないかも。
響の彼女だってことは言ったけど。
吉川くんは響の友達だし"



"考えすぎだって。
それは黒崎と吉川くんとの2人の問題でしょ？
普通に告白されたって言えばいいじゃん"




あっけらかんと話す結。
私の、考えすぎなんだろうか。






"けど、凄いよね"


"何が？"


"だって黒崎との関係があるﾘｽｸがあるって分かってても、愛に告白したわけでしょ？
私だったら諦めて次の人探すわ"



"そうだよね。
私も言ったもん"



"黒崎が情けないから今ならいけるって思ったのかな。
だってさ、愛は黒崎の彼女なわけで…
例えばの話、戦えないじゃない？"


"ん？"


"だから、愛が黒崎のって時点で結果は見えてるじゃん。
例外はあるかもだけど。
告白も1番最初の人しか戦えないってこと。
彼氏、彼女ができた時点で、2番目以降は……告白すらしない人も出てくるんじゃない？"





…そっか。
私も、吉川くんの話にちゃんと向き合わないといけないのかもしれない。







"それよりさ、黒崎のことはもういいの？"


"うん。何度も謝ってくれたし、今はちゃんと連絡くれるし。
次はないけど、今回は信じようと思って"


"甘いなー。
まぁ愛が幸せそうだから良しとするよ"


"ありがと"







何でも打ち明けられる親友。

モヤモヤしてたところがｽｯｷﾘしてきた。

私……







"結、私……"


"はいはい。
まだ時間も遅くないし、呼び出してみたら？
それくらいのﾜｶﾞﾏﾏ許されるでしょ"