幸せのかけら
嘘でも嬉しい言葉。
"顔ニヤニヤする"
"ふざけんな。
俺は真面目なんです。
ほんとは行かせたくない。
こう見えて、独占欲強いんだよ"
握る力が強くなり、私も握り返す。
"どうやったら機嫌直る?"
"とりあえず俺以外の男がいるときは酒禁止"
"えー"
ジロッと睨まれたので少し黙ってみる。
"俺の彼女って自覚ある??"
"響こそ………私の彼氏だって自覚ある??"
"………………はい?"
今度は私の番。
"響のスーツ姿カッコいいって、女の子が騒いでた"
ここ最近の不安をぶつけてみる。
"しかも眼鏡かけてた。
かっこよさ倍増するからダメ"
"コンタクトが入らなかったんだよ"
"あと、告白されたって聞いたけど"
なんで知ってるんだ、というような顔をし、視線をずらされた。
"答えは決まってるし。
わざわざ報告することもないって思って"
"それでもこうやって情報が入ってくるんです"
"こえーな"
しょうがないな、と言いながらも教えてくれた。
"2番目でもいいからって言われて。
自分のこともっと大切にしろって言っといた"
"………その人、もっと響のこと好きになりそう"