幸せのかけら
"立てないなら、お姫様抱っこでもしてみる?"
すっかり機嫌良くした響が覗きこむ。
私はまだ顔が熱くて、涼しげな響にちょっとムカついた。
"ばか"
"近づくなって言ったのに、約束守らなかった愛が悪い"
唇をペロッとなめられ、さらに温度が上昇した。
"ばかばかばか!!"
"はいはい、帰るぞ"
ぐいっと引っ張られ、大学を出る。
勉強終わりの人もちらほらいて、大学でなんてことしてたんだと、隣にいる響を睨んでみた。
"愛、そんな見んな"
"……今日、勉強できてない"
"息抜きも必要だし。
まだ帰さないから"
……………今、なんて?
驚きと、嬉しさでじっと見つめると
"………………責任とれって言ったろ?"
ーーーー響の嫉妬には要注意。
響に愛されながら、もう絶対男の人の飲み会でお酒は飲まないと誓った。