幸せのかけら










"……響のその情熱には勝てないけど"






こういう話するの初めてかもしれない。









"仕事は頑張りたい。

やっとここまで来たんだもん。

病院で私は頑張る。



でも、もうひとつ夢があって……"




"うん"








"ーーー大好きなヒトと結婚して、家族になりたい。

だから、それまでは仕事全力で頑張って、残業とかしたりして……



でも結婚して、子どもが出来たら辞めてもいいと思ってる。

家族を大切にしたいなって………"







これは、私からのプロポーズになるんだろうか。

でも、伝えたい。

届けたい。











"ーーーーーー本社じゃなくてもいいよ、ここに絶対戻らないとダメじゃないよ。


響がいるところにーーー私は一緒に行きたい。"








でも、響の目標は応援したいから、本社勤務頑張ってねと慌てて言って、
プロポーズが恥ずかしくて、思わず下を向く。









"愛、顔あげて"







ゆっくり動くと、温かなキス。


外にいるからか、いつもより温かく感じて、心がぽかぽかする。














"ーーーーーー愛、ほんとにお前は………"








< 85 / 160 >

この作品をシェア

pagetop