幸せのかけら
"……響のその情熱には勝てないけど"
こういう話するの初めてかもしれない。
"仕事は頑張りたい。
やっとここまで来たんだもん。
病院で私は頑張る。
でも、もうひとつ夢があって……"
"うん"
"ーーー大好きなヒトと結婚して、家族になりたい。
だから、それまでは仕事全力で頑張って、残業とかしたりして……
でも結婚して、子どもが出来たら辞めてもいいと思ってる。
家族を大切にしたいなって………"
これは、私からのプロポーズになるんだろうか。
でも、伝えたい。
届けたい。
"ーーーーーー本社じゃなくてもいいよ、ここに絶対戻らないとダメじゃないよ。
響がいるところにーーー私は一緒に行きたい。"
でも、響の目標は応援したいから、本社勤務頑張ってねと慌てて言って、
プロポーズが恥ずかしくて、思わず下を向く。
"愛、顔あげて"
ゆっくり動くと、温かなキス。
外にいるからか、いつもより温かく感じて、心がぽかぽかする。
"ーーーーーー愛、ほんとにお前は………"