幸せのかけら
ーーーーーーあと、もうちょっとで終わる。
何度も何度も模試を受けてるからか、始まってしまえばあっという間で。
今はお昼休憩中。
同じ教室だった友達とご飯を食べて、自分の席に戻ってきた。
要点だけ見ておこうと、ノートを広げる。
………………響、上手くいったかな。
急に気になり出して、スマホを取り出す。
"前半おつかれ。
お守りの中みて"
ーーーーーーお守り?
カバンのポケットから、響のお守りを取り出して、軽く握ると、ちょっと固いような感覚。
ーーー何か入ってる?
ゆっくりほどいて、中身を取り出すと小さな紙が入っていた。
折り畳んだ紙を広げ、刻まれた文字に涙が出そうになった。
ーーーーーー愛の努力が報われますように
自分のお守りなのに
自分のことはそっちのけで
私のこと心配して
そんな響の優しさ、強さに、私はまた恋をした。
"ーーーーーー響、大好き。
後半も頑張ろうね"
丁寧に紙をお守りに戻し、ノートに目を向ける。
響が書いた願いの裏側に、私の願いを書き足して。
"ーーーーーーーーーずっと響の隣にいられますように"
大切なヒトとの未来のために、私は前へ進むんだ。