幸せのかけら
ーーーーーーーーー終わった。
試験が終わり、帰る準備をする。
所々で、この答えは何かとか、自己採点の点数の話が出ていて。
聞きたくなくて、すぐに部屋を出た。
"ーーーーーーおつかれ。"
門のところで、響が待ってくれていた。
"早いね"
"一番近い部屋だったから。
みんな問題の話するから、すぐ出た。
やっと終わったんだから、ちょっと休憩してーわ"
同感、と頷くと
私の手を握った。
"ちょっとデートしよ"
"え"
"自己採点できるまで少し時間あるだろうし、疲れたから甘いもん食いたい
ーーーーーー予備校がいくつかあって、私たちは自己採点ができるようになっている。
予備校が解いた答えを教えてもらえるので、結果が出る前に自分の合否がだいたい分かるのだ。
その点数によって内定先も動くようで、私も響も自己採点の点数を報告するよう内定先に言われている。
まず薬剤師になれないと、資格がなくて働けないから。
"響が甘いものって珍しい"
"ーーー愛疲れてるなら我慢する"
答えはひとつしかなくて。
"ううん、行きたい"
結にお疲れ様と先に帰ることを伝え、響に引っ張られながら外へ出た。