幸せのかけら
"ーーー響。
改めて、これからもよろしくお願いします"
軽くお辞儀しつつ、響をみる。
"こちらこそ、よろしくお願いします。
お互い卒業までの時間楽しもう。
たまには連絡くれよ"
"ーーーーーーうん!"
"響との旅行も楽しみ"
ーーーーーー旅行の予定について話していると、
自己採点の結果に安堵したからか
響といるからか
だんだん眠たくなってきた。
"……………響、ちょっと眠たい"
"そうだな、帰るか"
カフェを出て、駅へ向かう。
眠たくて、響の腕に絡まりながら歩く。
"愛、歩きづらい"
"やだ。しばらく会えないからくっつきたい"
"お前がびっしり旅行の予定入れたからだろ。
俺の方が寂しいわ"
ーーーーーー誘われたら基本断らないため、私は卒業式以外はほぼ予定が埋まっていた。
だって、仕事始まったら長期で旅行とか行けないと思うと……
"ーーーーーーこれから、毎日会うってことはできなくなるのかな"
ポツリ呟いてみると
"かもな"
"……想像つかない"
会話しなくても、顔を合わせることはあった。
これからは、私の、響の環境ができるんだ。
知らない世界も増えていくんだ。