隣の席の及川くん。
ねぇ。
『ねぇ、今の子見た!?』
『見た見た!!』
『めちゃくちゃ美人!』
そんな言葉が周りから飛び交う
すれ違った人々は頬を赤らめ
振り返りそんな会話をする。
そんなの何時もの事
耳にタコができるんじゃないかってぐらい聞いた
周りから見れば私は美人らしい。
「あほくさ。」
ボソッとそんな言葉を残して
桜の舞う門をくぐった。
桜花高校
これから私が通う高校
”フツウ”の生活がしたくて
私は逃げるようにこの高校を選んだ