隣の席の及川くん。
しばらくしたら彼も落ち着いたのか真面目に授業を受けていた


キーンコーンカーンコーン


授業の終わりを告げるチャイムがなり
それと同時に教室がざわつき始める


5月にもなればいくつかの友達のグループが出来ている

私はグループのなかに入るわけではなく
視線を外に移した

暖かいなぁ…

5月の木漏れ日はとても気持ちよく
自然と顔が緩む

すると

「ねぇ鈴木さん。私櫻木美緒!美緒って呼んでね!」

よろしくっ!と手を差し出してきた女の子


肩にかかるかかからないかの栗色の髪をもちまんまるとした綺麗な二重の瞳
笑うと見える可愛らしいえくぼ
綺麗な人だと思った

「私、友達ごっこみたいな事するつもりないから。」

そう言い視線をまた外に移した
すると彼女は何処かに行くわけでなく
目の前に座り私に向かっていろいろ話し始めた

何を言ってるかは聞いてない
けど彼女は嫌な顔しないでずっと笑顔で
話している

「何で私なんかにかまうのよ」

ボソッと呟いた私を見て驚いた表情をした彼女


「そんなの決まってるじゃん!私鈴木さんと友達になりたいからだよ!ごっこじゃないちゃんとした友達!」

何当たり前の事言ってんの?どブツブツ頬を膨らませながら彼女はそう言った

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