隣の席の及川くん。



それから1ヶ月が過ぎた頃
父親は交通事故で死んだ



幼すぎる美華にとってそれはとてもショックがでかく現実を受け止めるには
彼女には無理だった




「ぱ…ぱぁ?何でこんなに冷たいの?」

起きる事のない父親の手を握りずっと話しかけていた彼女をみて


「可哀想ね」

「母親も早くに亡くなってるらしくて
一馬さんが男手1人で育てたらしいじゃないの」

「誰が引き取るのよ」

「私は嫌よ。今でさえ手のかかる息子がいるのに」


ヒソヒソ話す親戚達


結局彼女を引き取ったのは
母方の親戚だった


親戚の所での生活は
あまりにも酷いものだった


「なんでうちでこんな子のを見なきゃいけないのよ!」

「仕方ないだろ。誰も引きとれなかったんだ。」

「あの子のせいでうちは崩壊寸前よっ!」

家中に響く親戚夫婦の喧嘩

もちろんその声は彼女の耳に届いており

幼い彼女でも自分の立場がわかった



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