黄金と四聖獣
そして、シオン様は山賊の人たちに近づいて
行くと、
「峰打ちだったとはいえ、思い切り打ってしまってすまなかった」
と謝った。
その言葉に、山賊たちは、一瞬ポカンとして
から、ゲラゲラと笑い始めた。
「なんだこの兄ちゃんいいやつだなぁ」
「襲いかかったのは俺らの方だぞ」
「線が細いくせにすげぇ重い一撃だったぞー」
「あの状況で峰打ちって方がびっくりだけどなー!」
と、山賊たちは笑いながら次々に言うと
シオン様の周りに集まってシオン様の背中を
バシバシ叩いた。
「なんだか、もう溶け込んじゃったみたいね」
と、エーラに言うと、
「シオン様って、昔からあんな人だよ」
とエーラは優しい眼差しでシオン様を見ながら
言った。
「そこの黒髪ボウズ!」
と、山賊の一人がエーラに声をかけた。