黄金と四聖獣
辺りが暗闇に満ちた頃、私たちは動き出した。
クオンには、くぼみで
待っていてと言うと小さくピィと返事をした。
私は、エーラとシオン様を一人ずつ掴まって
もらって崖の上まで運んだ。
そして、崖の上にあった茂みに隠れると
あたりの様子を伺う。
すると、少し開けたところに小さな祠が
あるのが見えた。
私がそっとそちらを指さすと、シオン様と
エーラは頷いた。
「誰もいないように見えるな」
と、シオン様が声をひそめて言う。
確かに…祠の近くには誰もいないみたいだった
今、賊たちはこの近くにはいないのかも
しれない…
そう思い、私も声をひそめて、
「私が取ってきます」
と言った。
うまく事が運べば、賊たちと戦わずに水晶の石
を取ってこられる。