黄金と四聖獣
「そーゆーことはこの男の動きをちゃんと見てから言えよラナ」
と、ナイラと呼ばれた男が言い返した。
「ラナー、ナイラー?」
と、いう声が頭上からして、エーラと私が
上を見上げると、木の上には
黒髪を高い位置に結い上げた男がいた。
これで…三人目…
あと二人いるはず…
私はエーラに抱きしめられている状態の
まま、辺りを見回した。
けれど、暗闇で周囲が良く見えない。
暗闇でこちらを有利にするつもりが、
完全に不利な状態になってしまった。
その時、黒髪を結い上げている男が
「もう一人いるよー?そいつらの仲間。ナイラ危なーい」
と、気の抜けるような声で言った。