黄金と四聖獣
それを見てから、シオン様は属たちの方に
向き直った。
「勝手にここまで入ってきてすまない。私たちはそこの祠の中の水晶の石に用があるんだ。取らせてはくれないだろうか?」
とシオン様は交渉するように言った。
「やーだよ。っていうか、ここに水晶の石はないよ?」
そうラナが言う。
「ない?じゃあそれはどこに…」
そこまで言いかけた時、
「お前達何をやってる」
という、新しい声が聞こえた。
皆がそちらの方を注目すると、そこには
黒に近い青色の髪を後ろで結んだ長身の男
がいた。
「ぺトラス様」
と、セレウがその男の方を見ていった。
ぺトラスと呼ばれた男は、
「侵入者はすべて殺せと言ってあるだろう。それが終わったらすぐに…」
そこまで言いかけて、シオン様に視線を向ける
そして目を見開くと、ずかずかとこちらへ
歩み寄って来る。