黄金と四聖獣
それを見て私は、エーラの手を握って
何も言わずに微笑んだ。
シオン様なら、大丈夫。
そんな確信が、私の中にはあった。
私の顔を見ると、エーラも少し笑った。
そして、エーラと私が水晶の壁の方に目を
向けた時
水晶の壁が白く光だし、
パァン!という大きな音と共に、崩れ落ちた。
驚いて壁を見ていると、抱えていたシオン様の
身体がピクッと動いた。
「シオン様!?」
と、エーラと私が同時に叫んだ。
するとシオン様はガバッと起き上がって
あたりを見回した。
「あれ…ここは…そうか!出られたのか!」
と驚いたように言うシオン様に突っ込むように
見知らぬ声が水晶の壁の方からとんできた。