黄金と四聖獣
宿に着く頃には、もう辺りは明るくなっていた
宿の扉を開けると、女将さんが飛び出してきた
「あんた方!無事だったかい!」
と、私たちの姿を見るとホッとしたような
顔をする。
そして、シオン様の後ろに立っていたゼンを
見て、女将さんは目を大きく見開いた。
「ただいま、リズリ」
ゼンは優しい声でそう言いながら
前に進み出て、女将さんに言った。
「…っ…」
女将さんは言葉が出ないのか、口をパクパク
させてから、ゼンの胸に飛び込んだ。
「…待たせたな」
そう、ゼンが呟くように言うと、女将さんは
「ホントですぞ!!!」
と、涙をボロボロと零しながら言った。