黄金と四聖獣
私がちらりとシオン様の方を見ると
シオン様はクオンに飛びかかられて
仰向けに転がっているところだった。
「ゼンだって、心の中で全く感謝してないってわけじゃないと思うわよ。ただ、言葉にするのが苦手なだけで」
私がそう言うと、エーラは少し考えるような
顔をした。
「…でもシオン様のこと怒鳴り散らしてたぞ」
「そ…それはほら、また麒麟様に会えてうれしくてい、つい…みたいな…」
「ヘボ野郎って言ってたぞ?」
「て…照れ隠しかしら…」
「とにかく!」
エーラはキッと眉を寄せて、
「俺はあのゼンとかいう奴は気に入らない」
…でしょうね…