黄金と四聖獣
暗い山道の中、そうして進んでいくうちに
一つの明かりが前方に見えて、俺は
「おい、き…ファルダ!あの明かり、宿かもしれないぞ」
と声をかけた。
俺の言葉に、麒麟は嬉しそうに
「宿か、やっと休めるな」
と言った。
明かりのもとに着くと、そこは確かに建物で
そして外に、宿、とだけ書かれた看板が
立っていた。
それを確認した俺が扉をガラッと開けると、
中からとても背の低い少女が飛び出してきた。
「お客ですか!?」
背に似合わずにそんな大きな声をあげた
少女に、驚きながらも
「お…おう…」
と答えると、少女は
「おめでとうございます!この宿最初のお客ですよ!」
と微笑みながら言った。