黄金と四聖獣
「うんとおもてなししますね!」
と嬉しそうに言う少女の笑顔に、俺は
心を打たれた。
最近、人の笑顔なんてあまり見てなかった。
国が平和になったとはいえ、内乱の影響を
大きく受けた小さな村などは、その復興のため
に死にものぐるいで働いていて、笑顔どころ
ではないし、四聖獣たちは麒麟の記憶を
取り戻そうと必死になっている。
そして麒麟は…なんだか笑顔が薄っぺらく
なってしまったような気がした。
だが、この少女は心から笑っていた。
…人間に憧れた麒麟の気持ちは…
すげぇちょっとだけどわかった気がする。