黄金と四聖獣



崖を登りきり、麒麟を祠の横まで連れていくと


麒麟は、




「…なんだか…神秘的な所だな」


と呟くように言った。




「…見覚えは、あるか?」


俺はそう緊張しながら聞く。


…思い出してくれ。





「…」


麒麟は少し考えるような顔をした後、


口を開き、




「見覚えはないが、懐かしい感じがする。…ゼン、私とお前たちが出会ったのは街中だったよな?」


そう麒麟に聞かれて、どう答えるのが正解


なのか分からずに



「なんで今そんなこと聞くんだ?」


と聞き返す。




「…ここが…この祠がゼンとの出会いの場所のような気がしてならないんだ」



「っ…!」



…記憶が、戻りかけてるのか!?



俺が、そうだ、と言おうと口を開きかけた時、




「あ!」


と麒麟が声を上げる。





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