黄金と四聖獣
だが、時が経つにつれて、全く変わらない
俺の姿を見て、リズリが少しだけ不思議そうな
顔をするようになった。
…もう、一緒には居られなさそうだな
そう判断した俺は、ぱったりとリズリの元へは
行かなくなった。
そして、リズリに初めて会った時から
十年ほど経ったある日のことだった。
今日は俺以外の四聖獣と麒麟が市場に出掛ける
日で、俺は不本意ながら留守番だった。
ただ待っているだけでもつまらないし、
近くにあった森の中へ散歩しに行くことにした
何をするわけでもなく、ぶらぶらと森の中を
歩いていると、
「きゃああ」
という悲鳴が聞こえた。
「っ…!?」
いつもならこの森は、ほとんど来る人がいない
のに…
そう思いながら俺は声が聞こえた方へと
走り出した。