黄金と四聖獣
よく見るとリズリは、背こそ変わっていない
ものの、体つきはちゃんと大人になっている
ような気がした。
リズリは、全く変わらない俺の姿を見ても
何も反応せずに
「久しぶり、ゼン」
とだけ言った。
…さっき、人とは思えないほど鋭い爪と
跳躍力と、そして獣の瞳も見えたはずなのに
リズリはその事には何も触れなかった。
もうリズリには、俺が人の形をした化け物だと
わかったはずなのに…
俺がそんな思考を巡らせながら、リズリの
言葉に答えないでいると、
リズリは俺の目をしっかりと見ながら
「あたしは、ゼンが人じゃなくても何も変わらないよ」
と言い放った。