黄金と四聖獣
「そーだよ眠り姫が」
とゼンが呆れたようにシオン様に言う。
シオン様もエーラも、眠気が覚めてきたのか
目がちゃんと開いてきた。
すると…ぐうぅぅぅ、と誰かのお腹が鳴った。
「あ…あはは、すまない」
と照れくさそうに声を上げたのはシオン様
だった。
そんなシオン様に、呆れたような、冷めた
ような視線を向けると、ゼンは部屋から出て
行ってしまった。
「…軽蔑する視線だった気が…」
シオン様が落ち込んだような口調でいうのに
「あいつのことは気にしない方がいいと思いますけどね…」
とエーラがため息をつきながら言った。
けれど、その言葉に、前ほどの刺々しさは
なかった。