黄金と四聖獣
そして、扉から一歩踏み出した所で、
リジュンとバッタリと会ってしまった。
「おや陛下、お出かけですか?」
そうへりくだったような笑みを浮かべて
近づいてくるリジュンに、舌打ちをしそうに
なって、我慢をする。
こんなやつに構っていないで、さっさと
出掛けてしまいたいところだが、
一応、フェルナンを連れ出したいということは
言って置かなければならないと思い、
少しだけ笑顔を浮かべて、
「あぁ、東の農村へ。悪いが、しばらくフェルナンを借りるぞ」
と言う。
「フェルナンですか…それよりも、わたくしがお供しましょうか?」
そんな風に言うリジュンに、何を企んでる?
と思ってしまう。
こいつが王位をほしがっているのは、よく
知っている。
フェルナンを俺の側近のままにしておくと、
いつかリジュンが殺してしまうだろう
という予想から、リジュンの下につけたのだが
リジュンのフェルナンに対する扱いは予想以上
に酷いものみたいだった。