黄金と四聖獣



「あんまり無茶するな」


俺が少し眉をひそめながらそう言うと、



「無茶なんかしてないですよ」


と、返される。


それに俺は即答で


「嘘つけ」


とつっこむ。




「この間、シオンを追って行った時に自分で腹に穴空けて帰ってきただろう」


「その話はいいですって、もう治りましたし」



フェルナンの言葉に、そういう問題じゃない


と、言おうと口を開いたが、


俺が言葉を紡ぐ前に、フェルナンが



「それに、僕だけ無傷で帰ってくるわけにはいかないでしょ」



と言う。



「だからって自分で剣を腹に刺すな!一番の重傷者になりやがって」


「あれあれ?心配してくれたんですか?グオン様?」


ニヤニヤするフェルナンに、


「当たり前だ」


と言い放つ。




そして、フェルナンがポカンとしているのを


放置し、俺は歩き出した。




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