黄金と四聖獣
「…また増えた…」
ライアは厄介そうにふたりを見やる。
「うん、ヨダがサボった日にね」
「なんだよ嫌味か」
貼り付けたような笑顔でそう言うフェルナンに
ヨダと呼ばれた青年がムッとした顔で返す。
そんなやりとりを遮るように、ライアは
「ここに、お前達に出せる米も、通貨もない!」
と大きな声で威嚇するように言った。
「あー、いや?税の徴収は女に貼り付けにされちゃうような下級の役人がすることだから、僕らの目当てはそんなんじゃないよ」
ライアの威嚇を無視して、フェルナンは
ニッコリと笑って言った。
その言葉に、未だに貼り付けにされている
役人の男が、うっとすくむ。