黄金と四聖獣
第3章
青龍
「あ!フィアネ…!」
そう、私を呼び止める声が後ろから聞こえて
もどかしい気分で振り返る。
「そっちは、村じゃないですよ。あっちです」
ライアがそう言いながら指さした方角は
私が行こうとしていた方とは真逆で…
「それに、その格好で村に行くのはやめて下さい…多分、エーラが怒りますよ」
そう言われて、はっとして自分の格好を
見直してみると…
布一枚巻いた上に、ライアの上着がかかって
いるだけだった。
…!!
わ…忘れてた…
でも、どうしてエーラが怒るんだろう…
なんて疑問に思いながら、私は上着を
ライアに返した。
「ごめんなさい、少し濡れちゃってるかも」
と言って返してから、私は木の影で
素早く着替えて、そこから出て、ライアの手を
掴んだ。