黄金と四聖獣
それに、
「シオン様、私も行きます…」
と言いながら立ち上がろうとすると、
背中に激痛が走って、私はそのまま
うずくまってしまった。
「バカ、無理すんな」
ゼンの声が近づいてきて、布団の上に寝かせ
られる。
それが無性に情けなかった。
今まで気付かなかったけれど、岩にぶつけた
背中がひどく腫れているみたいだった。
「シオン、俺がついていく」
ゼンはすぐに立ち上がると、シオン様に
ついて出ていってしまった。
その2人の背中を見て、エーラは複雑そうな
表情を浮かべる。
そして、右手で刀を握りしめたまま、
家屋の窓からふたりが外の通りを歩いていく
のを見ていた。
外を見ると、だいぶ日が傾いてきていて、
私がエーラたちに食料を届けに出たのは早朝
だったため、結構長い時間寝ていたのがわかる