黄金と四聖獣



「…フェルナンとグオン様は、一度ずつシオン様を殺そうとしてる。そんな簡単に信じちゃダメだ」



エーラは、呟くようにそう言う。




「でも」


重苦しい雰囲気を破って言ったのはライア


だった。



「正直、今一番危険なのは、さっき三人を襲ってきた奴らなんじゃないですか?」


そのライアの言葉に、エーラは目線だけ


ライアに向けて、




「シオン様からしたら、フェルナンたちも危険なのは一緒だ」


と、肯定でも否定でもない返しをした。



「でも、あのぺトラスという男、青龍の石を持っていって何をする気でしょう」




私が気になっていることを聞くと、


エーラもライアも、顔を見合わせてから


首をかしげた。





「あの石は、祠に納められていることで、青龍、朱雀、白虎、玄武の力を補佐し、四聖獣が石を触ると、一時的に元の姿に戻ります。ただ、あの石が一般人に影響を及ぼすことは無いです」





そのライアの言葉に、エーラは


「元の姿?」


とつっこむ。




「うん、私だったら赤い鳥、白虎は名の通り白い虎、青龍も名の通り青い龍、玄武は亀と蛇」



私は、ライアに変わってエーラに説明をする。




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