黄金と四聖獣
それから数日後も、まだ用水路の建設は続いて
いた。
ゼンとライアは、今まで通り建設の手伝いや
村人と役人の仲介を受け持ち、加えて
シオン様とエーラは、体を痛めている村人や
小さな子の面倒を進んでみていた。
私もだいぶ体を動かせるようになったが、
エーラが驚くほど過保護だったため、あまり
外に出させてはもらえなかった。
そんなある少し欠けた月の夜、私は外の空気を
吸うために、そっと外に出た。
満月ではないため、少し弱い月明かりに
照らされ、くっきりと浮かび上がる白い髪を
私は見た。
「…あの」
ずっと言いたかったことを言おうと、私は彼に
近づいた。
すると、フェルナンはこちらを見もせずに
「近づくなっていったはずだけど?あんたを例外にした覚えはないよ」
と言い放った。