黄金と四聖獣



「君は、イーリアの生まれ変わりか?」


その麒麟様の言葉に、私はこくりと頷く。


すると、麒麟様は私を引き寄せてギュッと


抱きしめた。





「すまない…すまないイーリア…」



麒麟様の悲痛な声の意味を、イーリアの記憶が


教えてくれた。



麒麟様は、イーリアが自分のせいで死んだのだ


と、思っている。


そして、イーリアだけではなく、他の四聖獣の


ことを忘れてしまっていた事にも、ひどく


罪悪感を感じているみたいだった。





…イーリアの記憶では、麒麟様は完全に四聖獣


のことを忘れていた。


でも、さっき『朱雀』と呼んだということは


どういう経緯があったかはわからないけれど


記憶は少なからず戻っているようだった。




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