黄金と四聖獣
ある日、私が1人で川に水を汲みに行こうと
すると、横を通った家屋から話し声が
もれていた。
「あの夫婦、悪い人たちじゃないし、仲良くしたいところだけれど、あの呪われた子がいるからねぇ…」
「あぁ、あんな赤髪の子が居るせいで村で孤立するんだ。いやむしろ村に留まれているだけでもありがたいと思って欲しいものだ」
「本当に、あの子さえ居なければ」
……
分かっていたはず。
私は邪魔者なんだって。
私は今の生活が幸せだった。
父と母に愛されて守られて、普通に一人娘
として生活できたから。
でも、今幸せなのは私だけなのかもしれない。
私の存在が両親を不幸にしているの
かもしれない。
そう思うと、泣きたい気分になった。