黄金と四聖獣
私が駆けつけた時、そこには壮絶な景色
があった。
木の根元には血だらけで横たわる赤い髪
の少女が。
そして、私がよく知っている黒髪の青年は
首から血を流し、なおも目の前にいる
白髪の青年を睨みつけていた。
「エーラ!フィアネ!!」
私はフェルナンとエーラとの間に割って入り、
フェルナンを睨む。
「…これはこれは、お久しぶりです。シオン様。やっと会えて嬉しいです」
この状況には似合わない爽やかな笑顔を見せる
フェルナンに怒りが募る。
「エーラの傷も、フィアネの傷もお前がやったのか?」
そう問いかけると、あっさりとフェルナンは
頷いた。
「話を聞かずに攻撃してきたのはその二人ですよ。」
「ふざける…な。お…まえの言うことなんて…信じ、られる…か」
酷く苦しそうに肩で息をするエーラが、
フェルナンにそう反論する。
「けど、僕の話を聞かなければ、あなたはこれから進むべき道もわからないでしょう?」
そうフェルナンが言う。