黄金と四聖獣



私のその言葉に、麒麟様は一度驚いて目を


見開いたが、すぐに優しく笑って




「本当だ、温かいな」


と小さく呟いた。





私は、たった五年しか生きていない子供


だったけれど、麒麟様とたった二人で人里から


遠く離れた山奥にいても全く不安は無かった。




一人だったら不安でいっぱいだっただろうけど


麒麟様がそれを消してくれた。





旅を続けていくうちに、私はどんどん麒麟様の


ことを好きになっていった。





優しい笑顔も、少し怠け者な所も、


ヘタレな所も、寒いのが苦手な所も、たまに、


獣に襲われたりすると、とても強く、


頼もしい所も。





全て、大好きになっていった。




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