黄金と四聖獣
私が生まれてすぐの頃は、甲杜帝国から仕掛け
られた戦争が激しく繰り広げられていたらしい
そして、今も小規模であるが国境付近の
小競り合いはあると聞いていた。
私たちの今居た市場は、南東の端の方に位置
していた。
そこからは、甲杜帝国との国境がほど近かった
のだ。
そして、イーリアの記憶から、市場で見た鎧の
男達は麒麟様を追っている甲杜帝国の兵士たち
だということもわかった。
つまり、最悪な状態。
初代の四聖獣たちが体を張って守った麒麟様に
再び危機が迫っているのだと、私はわかった
けれど、何の力もない私にはどうすることも
できなかった。