黄金と四聖獣



隣の麒麟様は警戒するように辺りを見回すが、


慌ててはいないようだった。




なにか、切り抜ける策があるのかもと、


私は麒麟様の言葉を待つけれど、麒麟様は


何も言わずに、ただ茂みからあたりを見回して


いた。






こうしている間にも、微かに話し声が聞こえる



おそらく、兵士達が麒麟様を探しながら


こちらへ歩いてきているのだろう。






「…麒麟様…このままじゃ見つかっちゃいます」


と、私は声を潜めて麒麟様の袖を引いた。



すると、麒麟様は少し黙ってから


私の目をしっかりと見つめて言った。






「私が一緒に行けるのはここまでだ、フィアネ。」





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