黄金と四聖獣
その時、先程まで横たわっていたフィアネが
ゆらゆらと身を起こす。
「フィアネ!大丈夫か!?」
と、近寄ろうとすると、フィアネはそれを
制して、フェルナンに向かって問いかける。
「あなたは、その言葉の意味をわかっていっているの?」
そう問いかけるフィアネの顔は、いつよりも
大人びて見えた。
「いや、この言葉の本当の意味を知るのは、グオン様と先王だけだ」
そうフェルナンが答えると、フィアネは
「ならばグオンとやらに伝えなさい。朱雀は麒麟様を見つけた、と。」
そう命令口調でいうフィアネは、とても
堂々としていた。
「まぁ…それは僕が生きて帰れたらね。じゃあ、僕の役目は終わったから帰るよ。」
そう言ってフェルナンは、刀を鞘に収め、
そして思い出したように振り返っていった。
「あぁ、早く手当しないと、エーラ死んじゃいますよ?」
それだけ言うと、森の奥へとフェルナンは
消えていった。