黄金と四聖獣




私は、自分の手にベッタリと付いてしまった


血を見てため息をつく。




…奴隷…か。


あの人が自分に悲観的な理由が、少しだけ


わかったような気がした。




珍しい目の色や、髪の色の子供を売れば


場合によっては大金が手に入ると聞いたことが


ある。






私が小さい頃、両親はそんな話全然


していない様だったな…



と思い返す。




こんな赤い髪…まつ毛まで赤いのだから、


きっと高く売れただろうに。


昔は今よりも人身売買も多かっただろうし。




私は手についた血を洗い流しながら、


フェルナンの怪我のことを考える。



もうほとんど内側の傷も治せたし、傷が開いて


しまうことはないと思うけれど…




それにしても、戦闘の時は油断なく構えていた


フェルナンに、誰があんな怪我を?





何度も怪我が開いたりふさがったりしている


から、いつ負った傷かハッキリとはわからない


けれど、そこまで最近の物ではないと思う…。





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