黄金と四聖獣
屈んで男の子と視線を合わせるエーラに、
私は、
「私がエーラに乗ったら、エーラ骨折れちゃいそうだしね」
と、お湯の入った桶をエーラの側に置いて
言った。
エーラはだいぶ線が細いから。
するとエーラはムッとしたような顔をして、
私につかつかと近づくと、私の腰を両手で
掴んでひょいと持ち上げた。
「わ…ちょ…ちょっとエーラ!?」
突然のことに驚いて少し脚をばたつかせると、
「別にこんな軽いの持ち上げたところで折れはしないよ」
と、真顔で言った。
「…エーラって見かけによらず力あるのね」
私がそう返すと、エーラは私を降ろしながら
「それ言うならシオン様でしょ」
と突っ込む。