黄金と四聖獣
考えを振り払うように首を振ってから
エーラの方を向くと、エーラは村の方に
戻りかけていた。
「フィアネ?行かないの?」
そんなエーラの声に、私は反応して駆け出す。
「行く」
エーラの隣に並ぶと、私は笑ってそう言った。
エーラはこちらをちらりとだけ見ると、
少しだけ笑って前を向く。
「ねーねー」
その時、エーラに手を引かれる男の子が、
エーラに向かって声をかける。
それに、エーラが振り向いて首をかしげると
男の子は
「エーラって、そのお姉ちゃんのこと好きでしょ」
と、ド直球にありえないことを言い放った。
「…は?」
エーラは一瞬固まってから、次の瞬間頬が
真っ赤に染まった。
「え、あ…いや、ちがっ…っていうかお前なんで急にそんなこと…」
多分、こういう話題にめっぽう弱いのであろう
エーラは、しどろもどろ質問を返す。
「だーって村の女には全く笑ったり話しかけたりしないくせに。話しかけられてもほとんど視線合わせてないし!でもそのお姉ちゃんと話す時は違うじゃん」
エーラを思い切り指さして言う男の子。
「それに!お姉ちゃんが村を出ていく時思いっきり目で追ってたくせに!」
「追ってない!」
畳み掛けるような男の子の言葉に、エーラは
顔を真っ赤にさせて反論する。