黄金と四聖獣
エーラは目をすぐに逸らして、桶を持ち
そのまま歩き出す。
「エーラ怒った?」
帰り道、男の子のその声に、エーラが
「怒ってない」
と振り返らずに返す。
「器が小さいとモテないぞ」
私の横を離れてそう言う男の子に、エーラは
「うるっさい」
と言いながら男の子の頭をぐしゃぐしゃにする
それに私は後ろからついていった。
…エーラを傷つけた…?
私が…
どうして…どの言葉で…?
もんもんと一人考えても、答えは浮かばない。
少し下を向いて歩いていると、いきなり木の根
が見えて、そのまま木にゴッと鈍い音を立てて
ぶつかってしまった。
「いっ…たた…」
お…おでこぶつけた…
両手で額を抑えていると、エーラが驚いて
こちらに戻ってきた。