黄金と四聖獣



「何やってんだ」


呆れたような、心配したような顔で私を見る


エーラ。



額を押さえる両手を退かされ、エーラが私の


前髪をそっと退けて、額を見る。




間近で見るエーラの顔は、すごく整って見えた


少しつり気味の大きな黒目に、長いまつ毛


すっと通る鼻筋に、薄ピンクの唇。





…エーラって、こんな顔だったっけ…





「ちょっと赤いけど、腫れてはない…」


そう言いながらエーラは目線を私の額から目に


移す。




私と間近で目が合うと、エーラは驚いたように


ぱっと目をそらした。




…?


な…なんで?




「と…とにかく、気をつけろよ」


エーラはそっぽを向いてそんな風に言うと、


男の子が近づいてきて、





「女の人を心配するのにその台詞はないでしょ」


とエーラを見上げる。




< 371 / 418 >

この作品をシェア

pagetop