黄金と四聖獣
「何やってんだ」
呆れたような、心配したような顔で私を見る
エーラ。
額を押さえる両手を退かされ、エーラが私の
前髪をそっと退けて、額を見る。
間近で見るエーラの顔は、すごく整って見えた
少しつり気味の大きな黒目に、長いまつ毛
すっと通る鼻筋に、薄ピンクの唇。
…エーラって、こんな顔だったっけ…
「ちょっと赤いけど、腫れてはない…」
そう言いながらエーラは目線を私の額から目に
移す。
私と間近で目が合うと、エーラは驚いたように
ぱっと目をそらした。
…?
な…なんで?
「と…とにかく、気をつけろよ」
エーラはそっぽを向いてそんな風に言うと、
男の子が近づいてきて、
「女の人を心配するのにその台詞はないでしょ」
とエーラを見上げる。