黄金と四聖獣
村へと帰りつくと、そこではさっきまでの
ことが無かったかのように、黙々と作業に
打ち込むフェルナンの姿があった。
もう用水路建設の工程も終盤で、ほとんど
終わったも同然だった。
村に馴染み始めていた兵達も、少しずつ
都の方へと撤収していく人数が増えた。
それに伴って、村の活気はどんどんと失われて
行っていた。
…それが、村人にとっていい事か悪い事かは
わからないけれど。
その時、フェルナンが立ち上がり
伸びをしてからこちらを振り返る。
そこで、偶然バチッと目が合ってしまう。
それにフェルナンは迷惑そうな、面倒そうな
表情をしたかと思うと、ブンっとなにかを
投げてよこした。
「わ…」