黄金と四聖獣
驚いて受け止めたそれは、いびつな形をした
氷だった。
「…??」
わけも分からずフェルナンの方を見返すと、
フェルナンは自分の額を指さした。
…もしかして、気にぶつけたところが赤く
なってるとか…?
そう思いながら私は額をおさえた。
するとフェルナンは、小さくクソドジと
口パクをすると踵を返した。
…いらっとする…。
怪我を治したお礼とでも言うのかしら。
そう思いながらも、私は泊めてもらっている
家屋から手ぬぐいを取ると、それに氷を包んで
額を冷やした。
「フィアネ、額、どうかしたんですか?」
側に来たライアが、私を見て不思議そうに聞く
「ちょっと余所見してたら気にぶつかっちゃって」
と、私が正直に言うと、ライアは
「気をつけてくださいね、トゲのある木もありますから」
と適切な助言とともに、心配そうな眼差しを
私に向けた。