黄金と四聖獣
もう村人達の姿は外になく、すでに
自分の家に撤収した後だというのがわかった。
その村の中央、鍋を熱するために起こした
たきぎの側に、二人の人物が佇んでいるのが
見えた。
…あれは…おじいさんと、ライアだ。
なぜだか私は村に入るのをためらって、そっと
気の影に座り込んだ。
このぐらい離れていても、
静かで冷たい夜風が二人の
話し声を運んでくれる。
聞いていいものなのかと思いながらも、
私はそのまま息を殺して耳を傾けた。
「お前には本当に、頼りすぎてしまっていたようだ、ライア」
そんな、おじいさんの少ししわがれた声が
聞こえてくる。