黄金と四聖獣
「いえ、そんなことは。セルトビアおじさんが俺を拾ってくれなければ、どこかで野垂れ死んでいたと思いますし」
そういうライアの声は、少しばかり冗談
のようにも聞こえた。
「あぁ、あのときからもう十年あまり…随分と長いことお主を縛り付けてしまったものだ」
そんな言葉を聞いて、私は絶句する。
ライアは、十年もこの村に留まっていたの…?
十年間、全く容姿の変わらない彼に、
おじいさんは疑問を抱くことは無かったの
だろうか…?
「縛り付けられたなどと思ったことはありません。俺は、この村で過ごせて良かったと、心から思っています」
明るい声色で、ライアはそう返す。