黄金と四聖獣



「いえ、そんなことは。セルトビアおじさんが俺を拾ってくれなければ、どこかで野垂れ死んでいたと思いますし」



そういうライアの声は、少しばかり冗談


のようにも聞こえた。





「あぁ、あのときからもう十年あまり…随分と長いことお主を縛り付けてしまったものだ」



そんな言葉を聞いて、私は絶句する。



ライアは、十年もこの村に留まっていたの…?


十年間、全く容姿の変わらない彼に、


おじいさんは疑問を抱くことは無かったの


だろうか…?





「縛り付けられたなどと思ったことはありません。俺は、この村で過ごせて良かったと、心から思っています」



明るい声色で、ライアはそう返す。




< 404 / 418 >

この作品をシェア

pagetop