黄金と四聖獣
結局、シオン様は危なっかしいため、
エーラと腕を組んで進むことになった。
「え…エーラ、早い早い…!」
「置いていかれますよ。どうしてそんなに慎重なのに踏み外すんです」
そんなやりとりを横目で見て、私はクスリと
笑う。
エーラの元気が戻ってきたようで良かった。
私たちの頭上を悠々と旋回するクオンが、
突然ピィーー!と、鋭く鳴いた。
それに気がついて、上を見上げると、今まさに
自分たちがいる細い崖の淵の道に、大きな
岩が落ちてこようとしていた。
「み…みんな!危ない!」
そう私が声を上げた時には、皆すでに岩を
回避しようと散っていた。
シオン様とエーラは、遅れていたことが
幸いして、特に動かずとも回避できたみたい
だった。