黄金と四聖獣
さっきまで崖から転げ落ちそうなぐらい
危なっかしかったシオン様が、今は威厳のある
立ち姿で少女と向き合っている。
…やっぱり第一王子だった人なんだなぁ…
と、改めて思い直した。
「あんたたち、この先に何があるか知っててこの先に行こうとしてるわけ?」
ひどく険しい目つきでそう言う少女に、
シオン様は頷いて口を開こうとする。
その瞬間、少女はシオン様に飛びかかった。
「ふざけるな!知ってるんなら尚更通すわけにはいかない!」
短剣の尖端が、シオン様の喉に突き刺さりそう
になるが、シオン様はピクリとも動かなかった
少女の短剣が、シオン様の喉に触れる直前、
エーラが何の躊躇もなしに少女を蹴り飛ばした
…!!
その場にいる、シオン様以外の誰もが驚いて
エーラの顔を見た。
そしてその表情を見て、さらに驚くことになる